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4年間のブランクを経て、ついに待望の新作が登場

 

「アルフレッド ダンヒル」はイギリス紳士のダンディズムと洒落心、そしてユーモアを体現する男性のためのラグジュアリー・ブランドだ。創業者のアルフレッド・ダンヒルは1893年、弱冠21歳のときに父がロンドン市内で営んでいた馬具専門店を引き継いでビジネスの世界に入る。そして20世紀を迎えると、彼は父の領域を超えて、あらたなジャンルに挑戦をはじめる。時はモータリゼーションの創生期。もちろん当時はまだ一部の裕福な階級に限られたことではあったが、人びとは自動車というあたらしい乗り物に熱狂していた。そして自身もその熱狂の当事者だったダンヒルは、このあたらしい風を捉えて、時代の最先端を走る当時のドライバーのためのアクセサリーライン、愛車に装着するヘッドライトやクラクションからドライビングコート、ゴーグル、ダッシュボードクロックやピクニックセットなど、一連の“モートリティーズ”コレクションを発売したのである。その後、商品ジャンルは飛躍的に拡大し、今日の世界を代表するラグジュアリーグッズメーカーへと発展した。

アルフレッド ダンヒルと時計との最初のかかわりは、クルマのダッシュボードに装着するクロックだとされる。そして今日もつづくダンヒルの腕時計のアイコンモデル、角型の「ファセット ウォッチ」が最初に登場したのは1936年。

最近では“モートリティーズ”の精神に基づいて開発された2005年の、パワーリザーブインジケーターをガソリンメーターのようにデザインしたモデルや、ゴーグルのレンズのようにふたつのインダイヤルを並べたクロノグラフをご記憶の方も多いだろう。その洒落心とユーモア溢れるデザインは、今もなお新鮮だ。ところが2007年以降はウォッチの新作は発表されることがなく、残念な状況がつづいていたが、2011年のS.I.H.H.では、うれしいことに久びさにウォッチの新作2モデルが登場した。

ひとつは、文字盤にグレーのマザー・オブ・パールを、ストラップにはダークグレーのシャグリーンレザー(サメ革)を使った定番のファセット シリーズの新作。もうひとつが、ブラックタイでの着用を前提にデザインされ、ブラックダイヤモンドとブラックラッカーを文字盤に使ったタキシードウォッチである。

どちらも、ダンヒルらしさが前面に出たモデル。時計専業メゾンの腕時計とはちがう、ファッションメゾンならではのこだわりを楽しみたい。